超高齢社会の最前線にある日本において、地域の健康づくりや介護予防は、もはや自治体単独で解決できる課題ではなくなりつつあります。複雑化する社会課題に対し、私たちは今、「コレクティブ・インパクト(集合的インパクト)」というアプローチに大きな可能性を感じています。
今回は、このコレクティブ・インパクトの重要性と、先日私たちが参加したプログラムでの受賞報告を交え、これからの地域共創のあり方についてお話しします。
1. 「個別の活動」から「共通のゴール」へ
これまでの官民連携は、特定の課題に対して個別企業が技術やサービスを提供する「点」のアプローチが主流でした。しかし、住民の健康寿命延伸やQOL向上といった大きな課題は、一つのソリューションだけで達成できるものではありません。そこで注目されているのが「コレクティブ・インパクト」です。
これは、立場の異なる組織(行政、企業、NPO、市民団体など)が、組織の壁を越えて「共通のアジェンダ(目標)」を掲げ、互いの強みを出し合いながら社会課題の解決を目指すアプローチです。IT企業である私たちも、単にシステムを納品するのではなく、地域のステークホルダー全員の「ハブ」となり、データを活用して共通の成果を可視化する役割が求められています。
2. XKANSAI ソーシャルイノベーション・プログラムでの挑戦
この「共創」の理念を体現するべく、『XKANSAI(クロス・カンサイ)』の第2期ソーシャルイノベーション・プログラムに参加いたしました。結果として、異なる強みを持つ4社による共同企業体(コンソーシアム)として提案を行い、光栄なことに「最優秀賞」を受賞することができました。
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【受賞プロジェクトのポイント】
今回私たちが評価されたのは、単一のサービスではなく、複数企業の技術とノウハウを掛け合わせることで、より立体的かつ継続的なヘルスケア・エコシステムを提案できた点にあります。
まさに、1社だけでは成し得ない価値を、連携によって生み出した「コレクティブ・インパクト」の実践例と言えるでしょう。
3. 行政担当者の皆様へ:IT企業を「繋ぎ役」として活用してください
コレクティブ・インパクトを成功させるためには、5つの条件が必要だと言われています。※
- 共通のアジェンダ(目標の共有)
- 共有された測定システム(データの可視化と共有)
- 相互に強化し合う活動(各社の強みの連携)
- 継続的なコミュニケーション
- バックボーン組織によるサポート(全体調整役)
※出典:Kania, John, and Mark Kramer. “Collective Impact.” Stanford Social Innovation Review (2011).
特に私たちIT企業が得意とするのは、「2. 共有された測定システム」の構築です。バラバラに行われていた施策の効果をデータで統合し、可視化することで、「地域の健康」という共通ゴールへの進捗を全員で確認できるようになります。
4. 結びに:共に創る、持続可能な地域の未来
今回のXKANSAIでの受賞は、私たちにとってゴールではなくスタートです。この経験とノウハウを活かし、全国の自治体の皆様と共に、地域ごとの特性に合わせた「共創の座組み」を作っていきたいと考えています。
「予算がつかない」「縦割りの壁がある」といった悩みをお持ちの担当者様こそ、ぜひ一度ご相談ください。一対一の関係だけでなく、複数のプレイヤーを巻き込んだコレクティブな解決策を、一緒に模索していきましょう。